SPA(Speciality store Retailer of Privale Label Apparel)「製造小売業」と呼ばれる仕組みのこと。これまでの企画、開発、製造、卸、小売といった業種の垣根を取り払い、全ての工程を自社のみで一気通貫で行います。商品販売までに多段階を要していた従来型のやり方に比べると中間マージンが発生しないために、販売価格を安く設定できます。

他の小売業者と売れ筋商品を奪い合うのではなく、自らの力で次々にヒット商品を誕生させることができます。ちなみにSPAの概念はアメリカのファッション専門店GAPのフィッシャー会長が発表した言葉であり、アパレルの文字が入っていますが、現在ではファッション業界のみならず様々な消費者向け商品の製造・販売に活用されています。「ファーストリテイリング」や「ニトリ」などがその代表格です。

SPAのメリット・デメリットは以下の通りです。

(1)メリット

・中間マージンが発生しないため、販売価格を抑えることができる(利益率も高くなる)

・小売現場で得た顧客ニーズをより正確かつ迅速に商品開発につなげることができる

・全ての行程を管理できるため、商品の品質やブランドイメージなどを高い水準で管理できる

・全ての工程を通じて品質向上やコストダウンなどの取り組みが可能になる

(2)デメリット

・思惑通りに商品が売れなければ大量の在庫が発生する

・全ての工程毎にそれぞれの専門家が必要になる

・全ての工程を横串で一括して管理し最適化するためのマネジメントが必要になる

・一つの工程がミスを起こせば、工程全体が機能しなくなる