仮説思考とは、問題解決を考える際などに、これまでの自分の経験や世の中で正しいとされている法則から「たぶんこうだろう」という仮説を立て、実際にそれが正しいかどうか検証するやり方のことです。

たとえば売上不振に苦しむスーパーが販促キャンペーンを行う場合、過去の経験からどんな販促手法がどの程度の効果をもたらすのか、ある程度はわかっています。そこで、「今回は従来の手法に加えて、競合の儲かっているスーパーの手法も取り込んで行えば、売上はさらに増えるだろう」という具合に仮説を立て、実施するのです。このやり方は効率的である程度の成功は見込める反面、従来手法の枠から抜けられないという欠点があります。

一方「ゼロベース思考」とは、その言葉どおり、数多くの具体的な事実やデータの分析によって、ゼロから必要な施策を考えるというやり方です。先のスーパーの例で言えば、顧客アンケートや、一回あたりの買い物金額、来店頻度、顧客属性といったデータを分析し、最適な販促手法を考えていくのです。仮説思考に比べて手間がかかる、成功確率が読みにくいといった欠点はありますが、新しい手法であり、成功した場合には多くの成果が見込めるというメリットがあります。