社内に存在する様々な知識(ナレッジ)を活用して経営向上につなげていくこと。社員はそれぞれの業務分野において様々な知識を保有しています。しかしながら多くの場合、それらは個々の社員の属人的な範囲に留まっています。これらの点在するノウハウを全社的に共有し有効活用を図っていくのがナレッジマネジメントです。

知識には「形式知」と「暗黙知」があります。形式知とは既に文書などで整理されており、組織内の誰もが自由に閲覧・利用できる状態になっている知識のことです。いわゆる「業務マニュアル」などは、典型的な形式知です。これに対し暗黙知とは、個々の社員が独自に保有しており、まだ公表や整理が進んでいない知識のことです。ベテラン営業マンの優れた話法、ベテラン技術者の卓越した技などは、暗黙知に留まっていることが多いでしょう。

これらの形式知、暗黙知を最大限に活用するためには以下のようなステップを踏みます。

(1)形式知への変換

全社に点在している暗黙知をマニュアル等の形でできるだけ形式知化して、誰でも利用できるようにする

(2)新たな暗黙知の創出

形式知化された知識を活用して成果を上げるとともに、そこから自分自身が気づいた新たな暗黙知を獲得していく

(3)進化した形式知の体系化

進化した暗黙知を持ち寄ってそれらをさらい「進化した形式知」として体系化する

このような流れを繰り返し行うことで、「暗黙知」→「形式知」→「暗黙知」→・・・のスパイラルアップのサイクルを構築していきます。