「Customer Relationship Management」の略。顧客関係管理と訳されます。企業が個々の既存顧客との関係性を維持・強化するためにそれぞれのニーズを分析し、きめ細かく対応することで、常連客として囲い込み、ロイヤリティーを高めていくことです。新規顧客を獲得するコストは既存顧客を維持するコストよりも遙かに大きいため、一度自社商品を購入してくれた顧客の離反を極力防ぐ必要があるという考えによるものです。

たとえば近隣の少数客のみを相手にした商売では、店主は顧客一人ひとりの名前、嗜好、家族構成、購買頻度、購買金額などを自分の頭の中で把握していて、顧客が黙っていても最適な商品やサービスを提供することができます。飲食店であれば常連客からの注文は「いつもの」で済むでしょう。

しかしながら一般に企業が相手にしている顧客は膨大であり、それらを個々の営業担当者が全て記憶して活用することは到底不可能です。そこでシステムを使って商品の購買履歴、問い合わせ、アンケート結果、クレームなどの履歴をデータベース化して一元管理する必要が出てきます、そうすることで顧客一人ひとりに最適な商品やサービスをタイムリーに提供できるようになります。

またCRMのデータベースにより、「Aという商品を買った人はBという商品も買う傾向がある」ということがわかれば、その傾向にあわせた営業活動もできます。

さらにCRMは本来既存顧客の囲い込みが目的ですが、十分にロイヤリティー(信頼度)の上がった既存顧客は、顧客自らが口コミで新規顧客を獲得してくれるという効果も期待できます。