事業内容によって必要な開業資金は異なりますが、初めて起業する場合はできるだけ開業資金は抑えて、できるだけ自己資金の範囲内で収めた方がいいと思います。

起業するということは開業資金をこれから行うビジネスに投資することです。そして投資は経験値が高まるにしたがって成功確率があがっていくものです。いったん少額起業で始めておいて、経営者感覚を磨きながら徐々に投資を増やしていく方が結果として大きなビジネスに育てられる確率も高くなります。また着実に利益を積み上げていくことで、信用力も高まり、事業を本格展開する際の融資や出資も受けやすくなります。

開業資金は初期投資と運転資金に分けて考えます。初期投資とはオフィスや店舗の保証料、内装工事費、備品購入費用などで、小売業の場合、これに開業時在庫仕入れ代金が加わります。また会社形態にする場合には会社の登記費用などが別途かかります。運転資金とは事業を運営していくのに必要となる毎月の仕入れ代金、人件費、家賃、光熱費などです。

開業資金のスリム化を図るときに検討すべき大きなポイントはオフィスや店舗関連の費用や開業時在庫仕入れ代金、それに人件費でしょう。

オフィスを構えたり店舗型ビジネスを行うのであれば、不動産を借りることは不可欠であり、できれば1等立地にあるしゃれた物件を借りたいと思うでしょう。しかしそれには多額の費用が必要になり、初期投資が大きく膨らみます。

最初の起業ではハイリスクハイリターン型ではなく、儲けは小さくとも初期投資が小さくてすむ地道なスタイルをお奨めします。

また初期投資についてはある程度見積もることができても、開業後の運転資金についてはなかなか予測できません。開業当初は予期せぬことが次々に起こり、追加で様々な費用が必要になることが少なくないからです。

さらに資金繰りとの兼ね合いもあります。一般顧客を対象にした現金商売ならいいのですが、企業間の取引がベースとなるビジネスでは、売上が立ってから実際に現金化するまでに2~3ヶ月くらいかかる方が普通です。運転資金は最低でも6ヶ月分は用意しておいた方がいいでしょう。