エリア別、事業別、商品別など、異なる組織形態の利点を掛け合わせ、同時に達成しようとする組織形態。部門編成を網の目のように交差させた組織形態のこと。

マトリクス組織の最大のメリットは、細分化された領域で最適な商品開発や販売活動が可能になるということです。上記の図で言えば、同じA事業を行うにしても、東日本と西日本では商習慣や顧客のニーズなどが異なる場合があります。マトリクス組織であれば、このような不具合を調整することができます。

一方マトリクス組織のデメリットは、組織が複雑であること、それによってユニット間の利害調整や、指示命令系統が混乱する恐れがあることです。たとえば東日本エリアの統括者は最も利益率の高いA事業に注力したいとしても、B事業、C事業の統括者はそれを快く思いません。また、日常的な業務においても社員はマトリックスの行と列それぞれの上司が存在することとなります。異なる上司同士がきちんと調整してくれれば良いのですが、そうでない場合、社員はどちらの指示を優先すべきかを迷ってしまうことになります。

マトリクス組織運営においては、最適な組織形態を選択すると同時に、それぞれのユニットの統括者にマネジメント力・調整力の高い人材を配置する必要があります。