マネジメントバイアウト(Management Buy-Out:以下、MBO)とは、少数株主である経営幹部が大株主である現経営者から自社の株式を買い取り、企業の経営支配権を得ることです。M&A(Mergers and Acquisitions)の手法のひとつです。株式の買い取り資金は、経営陣の自己資金の他、買収する会社の財産や会社の将来の収益を担保とした金融機関からの融資や、投資会社からの出資によって補います。

最近増えているのが、上場企業の業績が低迷した際に、企業経営陣がMBOにより一旦株式を買収し非上場化するケースです。非上場にすることで旧株主からの影響力を排除して、大胆な事業再建を行うなど経営に専念し、また業績が改善した後に再上場を目指すことができます。代表例としては「すかいらーく」(06年にMBO実施。14年10月に再上場)が挙げられます。

また中小企業においては、MBOは事業承継の有力な手段のひとつとしても活用されています。経営者の息子など親族に事業承継できない場合に、経営陣の中に後継者の候補がいればMBOを使って経営権を移すことができます。

またMBOは経営幹部のみで行われるのに対して、従業員も参加して行うMEBO(Management Employee Buyout)という手法もあります。